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「最近、母の歩き方がゆっくりになった」
「以前より疲れやすそうで、外出を嫌がるようになった」
「食事の量が減って、なんだか痩せてきた気がする」
こんな変化に気づいて、心配になっていませんか?
「歳だから仕方ない」と思いがちですが、実はこれらの変化は「フレイル」という状態のサインかもしれません。初めて訪問看護を検討されている方にとって、家族の変化をどう捉えていいかわからず、不安になることは自然なことです。
でも大丈夫です。フレイルは正しく理解し、適切に対応すれば改善できる状態なのです。
多くの方が見落としがちなのは、フレイルは「要介護状態の一歩手前」の重要なサインだということです。
「まだ介護は必要ないから大丈夫」
「本人が嫌がるから、そっとしておこう」
そんな風に考えて何もしないでいると、あっという間に要介護状態になってしまう可能性があります。実際に、フレイル状態の高齢者の約4割が1年以内に要介護状態になるという研究結果もあるのです。
でも逆に言えば、今この段階で適切なケアを始めれば、元の健康な状態に戻ることも十分可能なのです。
実体験
私は訪問看護師として8年以上、在宅で暮らす高齢者とそのご家族をサポートしてきました。これまでに200名を超える利用者さんと関わる中で、フレイルの早期発見と適切な介入により、多くの方が健康を取り戻す姿を見てきました。
特に印象的だったのは、80歳の田中さん(仮名)のケースです。ご家族から「最近、転びやすくなって心配」とご相談をいただき訪問を開始しました。フレイルの兆候を早期にキャッチし、適切な運動指導と栄養管理を行った結果、3ヶ月後には以前のように近所を散歩できるまで回復されました。
厚生労働省の調査でも、適切な介入により約6割のフレイル状態の方が改善することが報告されています。早めの対応がいかに大切かがわかります。
ポイント5選
ポイント1:フレイルの3つのサインを見逃さない
理由: フレイルは身体的、精神的、社会的な3つの側面から現れるため、総合的に観察する必要があります。
具体例:
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身体的フレイル:歩行速度の低下、筋力低下、疲労感
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精神的フレイル:うつ気分、認知機能の軽度低下
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社会的フレイル:外出頻度の減少、人との交流の減少
一言アドバイス: 1つでも当てはまったら「歳だから」で片付けず、専門家に相談することをお勧めします。
ポイント2:「ながら運動」で筋力維持を図る
理由: フレイル改善には筋力トレーニングが効果的ですが、特別な運動は続かないことが多いからです。
具体例:
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テレビを見ながら足踏み(1日10分)
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歯磨きしながらかかと上げ(20回×3セット)
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座っている時に太ももに力を入れる(5秒キープ×10回)
一言アドバイス: 「運動しなきゃ」と身構えず、生活の中に自然に取り入れることが継続の秘訣です。
ポイント3:タンパク質摂取を意識した食事改善
理由: 加齢とともにタンパク質の吸収率が低下し、筋肉量減少の主要因となるためです。
具体例:
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毎食に手のひら大の魚や肉を取り入れる
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間食に牛乳やヨーグルトを選ぶ
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卵を1日1個は食べる習慣をつける
一言アドバイス: 「食べたくない」時こそ、少量でも質の良いタンパク質を摂取することが大切です。
ポイント4:社会参加の機会を積極的に作る
理由: 人との交流は精神的な健康だけでなく、身体機能の維持にも重要な役割を果たします。
具体例:
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地域のサロンや体操教室への参加
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近所の方との立ち話を大切にする
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家族との定期的な外食や買い物
一言アドバイス: 「迷惑をかけるから」と遠慮せず、周りの人に頼ることも大切な社会参加の一つです。
ポイント5:専門職との連携でチーム支援を受ける
理由: フレイルは複合的な問題のため、一つの職種だけでなくチームでのアプローチが効果的です。
具体例:
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訪問看護師:健康状態の観察と体調管理
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理学療法士:運動指導と転倒予防
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管理栄養士:食事指導と栄養改善
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ケアマネジャー:サービス全体のコーディネート
一言アドバイス: 「まだ早い」と思わず、軽い相談から始めて、必要に応じてサービスを拡充していけば良いのです。
補足情報やよくある質問
Q: フレイルは病気ですか?
A: フレイルは病気ではなく、健康と要介護の中間的な状態です。適切な対応により改善可能な状態だからこそ、早めの対処が重要なのです。
Q: 本人が訪問看護を嫌がる場合は?
A: まずは「健康チェック」として短時間の訪問から始めることをお勧めします。信頼関係ができてから、必要なサポートを段階的に導入していけば受け入れられやすくなります。
Q: 費用はどのくらいかかりますか?
A: 医療保険や介護保険が適用されるため、実際の負担は1〜3割程度です。要介護認定を受けていない場合でも、医師の指示があれば医療保険で訪問看護を利用できます。
よくある誤解
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誤解: フレイルになったら元には戻れない
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事実: 適切な介入により改善可能な状態です
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誤解: 訪問看護は重篤な病気の人だけが使うもの
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事実: 健康維持や予防的な関わりも訪問看護の重要な役割です
まとめ
フレイルは「歳だから仕方ない」状態ではなく、適切な対応により改善可能な大切なサインです。
今日から始められること:
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家族の変化を「3つの側面」で観察する
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日常生活に「ながら運動」を取り入れる
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毎食のタンパク質摂取を意識する
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社会参加の機会を積極的に作る
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気になることがあれば専門職に相談する
「まだ大丈夫」と思っている今こそが、フレイル予防の絶好のタイミングです。大切な家族がいつまでも自分らしく在宅で過ごせるよう、まずは小さな一歩から始めてみませんか?
訪問看護は、あなたとご家族の強い味方です。一人で悩まず、いつでもお気軽にご相談ください。
この記事が「いいな」と思ったら、ぜひスキやコメントをお願いします。皆さんの体験談やご質問もお待ちしています。

訪問看護では日常的にフレイルという言葉に接します。
私も在宅でできる範囲でのリハビリテーションを行っています!
参考に是非ご購読を!
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